隣にいた人の名前を、私は最後まで知らなかった。
数年前、あるワークショップで、吹奏楽の合奏に参加したことがあります。
同じ譜面を見て、同じ空気を吸って、
何時間も、隣の人と一緒に音を出し続けました。
なのに、演奏が終わるその瞬間まで、
隣にいた人の名前も、年齢も、どこに住んでいるのかも、
私は何も知らないままでした。
せっかく同じ場所に集まって、同じことを一生懸命やって、
確かに「場」はできていたのに——
私たちは、お互いのことを何も知らないまま、
また、それぞれの日常へ戻っていきました。
その帰り道、ふと思ったんです。
これは、すごくもったいないことなんじゃないか、と。
もっとお互いを理解し合えていたら。
もしかしたら、これからの人生を支え合える
パートナーや理解者になれていたかもしれないのに。
この「もったいなさ」が、
Knot Wind Orchestraの出発点です。